未だ聞き慣れないビアスタイルかと思いますが、アメリカンベルゴスタイルエールは伝統的なベルギースタイルのビールよりも、アメリカンホップが強く効いたモダンなベルジャンスタイルエールです。アメリカンホップのフレーバーと、ベルジャン酵母由来のバナナ、ベリー、リンゴなどの芳香の相乗効果により、より強くフルーティーな味わいを楽しめるのがこのビアスタイルの特徴であり魅力であると解釈しています。また、アルコール度数やIBU(苦み指数)などの定義上の縛りなどもなく、自由な裁量や余白があるのがこのビアスタイルの面白さと言っても過言ではありません。今回もまた忽布古丹醸造的な解釈で、糖類を使った極端にドライな設計と、ホップのしっかり効いたレシピを構築しました。今回は強いパイナップル感やマンゴーなどの熟した南国果実のフレーバーを持つホップ品種を採用しています。ホップに由来する仮想的な甘味を呈するフレーバーはありますが、測定した数値上ビールにはほとんど糖分が残っていません。前回の同様のビアスタイルを超えるドライな仕上がりになりました。また、味わいからは7.5%のアルコール度数は感じられないことでしょう。ボリュームのあるドライホッピングでIPAに匹敵するパイナップル飴やマンゴーのようなフルーツのフレーバーを取り込みました。ドライで飲み疲れすることなく、ホップのフレーバーはボリューミーなのに、高いアルコール度数をそこまで感じさせないところが憎たらしいですね。こういう奴には気をつけた方が良いです。
- ABV
- 7.5
- IBU
- 45