忽布古丹醸造は上富良野産ホップでビールを醸すため、同町に誕生したブルワリーです。醸造開始は2018年、定番商品の「HOP KOTAN ORIGINALS」をはじめ、多種多様なクラフトビールの醸造を展開しています。HOP KOTAN ORIGINALSは3種あり(upopo、nonno、haskap)、その全てが「通年」で上富良野産ホップを「100%」使用したビールです。地元産ホップ100%で定番ビールを醸造するブルワリーは、国内では忽布古丹醸造だけです。
現在使用している上富良野産ホップはアメリカ品種の「カスケード」がメインですが、「地のホップで醸す」をテーマにする忽布古丹醸造にとって、今後より多様なビールを地元産ホップで醸すためには、その品種を増やすことが大きな課題でもあります。
忽布古丹醸造がブルワリーを構える上富良野町には、サッポロビール㈱の北海道原料研究センターがあります。この原料研究センターで誕生したホップの中に、1984年に品種登録された「ソラチエース」があります。このホップは国内で日の目を見ることなくアメリカに渡り、その後その個性が開花し、今では世界が認めた伝説のホップとなっています。
ソラチエースの名前の由来は、ここ上富良野町の地名(北海道空知郡上富良野町)からきており、私たちのブルワリーの地名がついたホップということもあり、一方的に親近感を覚えるホップでもあります。また、ソラチエースは、松、杉、檜のようなウッディーな香り、レモングラスのような香りが特徴的で、他のホップにはない唯一無二の個性を持ったホップです。忽布古丹醸造が大好きなホップの一つでもあります。
ソラチエースはアメリカでも栽培されていますが、「地のホップで醸す」忽布古丹醸造としては、上富良野町で生まれ、上富良野町で育ったソラチエースでビールをつくりたい!という強い想いを創業時より抱いていました。しかしその実現は難しく、ソラチエースは私たちにとって近くて遠い存在となっています。
しかしこの度、サッポロビール㈱の契約ホップ生産者が育てた、上富良野産ソラチエースを使用してビールをつくる機会をいただきました。これは忽布古丹醸造の夢の一つが叶う、とてもメモリアルでエキサイティングな出来事です。
長い間待ち望んだこの貴重な機会に、どのようなビールをつくろうか?
思いのほかスムーズにアイディアが思い浮かびます。もしかしたら、いつかこの日が来ると信じ、自然とイメージができていたのかもしれません。
今回、上富良野産ソラチエースでつくったビールは、
【epitta (エピッタ)2024 -Sorachi Ace IPA-】
Style:American IPA
ABV:7.0%
IBU:60
上富良野産ホップ100%というコンセプトである、忽布古丹醸造の定番シリーズHOP KOTAN ORIGINALSに新たな試みをプラスした、「HOP KOTAN ORIGINALS+(plus)」からのリリースになります。北海道に縁やゆかりのある「道産子」の原材料にスポットを当てた限定醸造シリーズです。
epittaは2021年より年に一度つくっていて、今年で4回目の醸造となります。
epittaとは、「すべて、全部」を意味するアイヌの言葉で、このビールは北海道産の原材料100%で醸造しています。ビアスタイルはアメリカンIPA。「純国産」のIPAということになります。
昨年までは上富良野産ホップ「カスケード」と中標津産の大麦モルトを使用してきましたが、今年は上富良野産ソラチエースを主軸にカスケードをブレンド、大麦モルトは同じく中標津産を使用しています。ソラチエースの個性的なキャラクターにより、今年のepittaはコンセプトはそのままに大きく生まれ変わりました。松のようなパイニーな風味やレモングラスに似た香り、そこに上富良野産カスケードの特徴であるライムのような爽やかさが心地よく広がります。また中標津産のクリスピーでクリーンなモルトのキャラクターと、上富良野産ホップの相性も良く、モルトの風味を感じながらもライトで飲み疲れしない、何杯でも飲みたくなるフレッシュなアメリカンIPAに仕上がりました。
忽布古丹醸造の歴史に残るであろう、上富良野産ソラチエースを使用した
epitta (エピッタ)2024 -Sorachi Ace IPA-
国内初の北海道産原料100%のIPAをぜひお楽しみください!